遺言書を作る前にまず、誰が自分の財産を相続する権利があるのか(法定相続人)、その人がどれだけ財産を相続する権利があるのか(法定相続分)を確認しておくことが大切です。
「自分の財産なのだから、そんなことは考える必要がない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、法定相続人の権利を無視した遺言書を作ると、後でその人たちから不満が出ることが予想されます。
せっかく家族のことを想って遺言書を作るのに、結果としてそれがトラブルのもとになってしまうのです。
仮に法定相続分を無視した遺言書を作る場合でも、あらかじめ誰にどんな権利があるかを把握した上で、生前贈与や生命保険などを使って、対策と効果を考えておく方がよいでしょう。
また、自分の相続人を把握していないと、相続人だと思っていた人がそうでなかったり、反対に相続人でないと思っていた人が相続人だったりして、遺言の内容が的外れなものになってしまう恐れがあります。
例えば、前妻との間に子供がいる場合や、子供がいるのに孫も相続人になると思い込んでいるような場合です。
年齢を重ねると結婚や離婚、家族が亡くなったりなどで相続関係が複雑になりがちです。正確な相続関係を把握しておく必要があります。