私に遺言書は不要?もう一度考えて見ましょう

1. わざわざ遺言書をつくるほどの財産がない

・財産の額が少なくても、相続手続は必要です。あちこちに金

   融機関の口座があればそれだけ手続が必要ですし、評価

 額の低い不動産でも相続手続を行わないでいると、相続人

 が死亡したりするなど手続が煩雑になりますので、相続登

 記を行っておく必要があります。

・また、相続人が多ければそれだけ手間と時間がかかること

 になります。遺産分割協議がまとまらなければ、それまで

 相続手続はできません。

 その間、銀行から預金を引き出すことができませんので、相

   続人の方に余裕がない場合や、事業を経営している場合など

 は特に遺言書でスムーズに手続できるように配慮しておくこ

 とが必要となります。

2. 家族仲がいいから必要ない

  家族仲がよくても、将来誰かが欠けたら家族の関係が変わり、不仲となってし

  まう可能性があります。

  家族関係が良好でも相続手続は面倒なものですし、遺産相続をめぐって余計な

  気をつかったりせずにすみます。

3. 法律どおりに財産を分ければ問題ないはず

  法律上、相続人はそれぞれ相続できる取り分(法定相続分)が決まっています 

  が、実際は話し合いで、自由に財産を分けることができます。

  法定相続分は、遺産を分ける際の目安に過ぎません。また、財産の中には不

  動産など単純に法定相続分で分けるのが容易でないものもあり、無理に法定

  相続分で分けようとすると、住む所がなくなってしまう方が出るなどの問題

  が発生することもあります。

  「法律どおりに分ければいい」と安易に考えず、相続人の方それぞれの生活

  を考慮して遺言書を残すことが望ましいといえます。

4. 財産を残すつもりが無いから不要

  現実には、自分が死亡する時期に合わせて財産を使い切ることは不可能です。

  どんな人でも亡くなるときには、多少なりとも財産や負債が残ります。ご家

  族のために、その処分について現実的に考えておくべきだと思います。

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